純粋持続   佐藤文香


元日や美術に強き緑青(みどりあお)


瞼の麻酔黄砂のなかの観覧車


日曜の午後の日傘が数えられる


薔薇重くそこにただ光の解散


月を刺す銀杏から月までの距離


いま街の灯を織る糸が絨毯に


元旦の干潟平らか木に逢わず



2010/1 角川書店「俳句」1月号